ICT(感染対策チーム)で手指衛生の実習を行いました。

7月20日(水)、ICT(感染対策チーム)のメンバーで手指衛生の実習を行いました。

ICT(感染対策チーム)は、院内感染の発生防止を目的として活動している実動部隊で、平成22年秋に感染対策委員会の下部組織として結成されました。感染予防に関するコンサルテーション、指導教育、サーベイランスなどを実施しており、メンバーは各職種から、医師5名・看護師3名(感染管理認定看護師を含む)・臨床検査技師1名・薬剤師2名・歯科衛生士1名・放射線技師1名・事務1名の合計14名で構成されています。

ICT(感染対策チーム)では月に1度、チーム会議を開催し、抗菌薬の正しい使い方の検討、職員へ感染対策を指導するために必要な知識を高める学習会や演習を行っています。7月20日(水)のチーム会議では、各部署における耐性菌サーベイランスの結果報告や、抗菌薬の正しい使い方について検討を行い、その後、感染管理認定看護師である伊藤看護師より手指衛生についての講義と実習を行いました。

実習では2つの実験を行い、正しい手洗いについての認識を深めました。

1つ目の実験では、最初に手袋をはめ、手袋の上にブラックライトに反応しやすいクリームを塗ります。その後手袋をはずし、ブラックライトに手をかざしてみると・・・

手袋をしていたにも関わらず、クリームが若干手についていることが確認されました。
たとえ手袋をはめていても、不良品の小さな穴や使用中の破れ、また手袋をはずす際の手指汚染や汗による手袋内の微生物繁殖の可能性などがあります。この実習により、手袋が必ずしも手指衛生の代用手段とはならないことを学びました。

2つ目の実験では、実際に手洗いをして洗い残しの確認をしました。同じクリームを素手に塗った後、石鹸をつけて流水で手を洗います。洗った手をブラックライトにあてて洗い残しの確認をしました。

メンバーは15秒以上の時間をかけて入念に洗いましたが、指の間や手首に洗い残しが見られました。手荒れをしている人も、荒れた部分にクリームが入り込み、洗っても落ちにくいことが確認されました。
これらの実習により、メンバーは自分の手洗いの癖を知り、洗う際に注意をしなければいけない点について、自分の目で見て把握することができました。また、手荒れをしていると汚れが取れず、細菌が住みつきやすいため、普段のハンドケアをきちんとして常に手の状態を確認する必要性も実感しました。洗いすぎによる手荒れを防ぐため、アルコール消毒の有効な使用方法についても伊藤感染管理認定看護師より講義を受けました。

メンバーは今回の実習で学んだことを各部署に戻って周知することとなります。ICT(感染対策チーム)は、今後とも定期的な会議の開催と実習により、院内全体での感染予防の啓発に努める重要な役割を担っています。