中南米の行政官が医療廃棄物処理の研修にいらっしゃいました。

9月16日(金)、JICA札幌の地域別研修「中南米地域廃棄物処理技術および3R(※)」として、当院にて医療廃棄物処理の研修を行いました。※3R:廃棄物の減量(リデュース)、再利用(リユース)、再資源化(リサイクル)

これは、財団法人日本環境衛生センターが国際協力の委託を受け当院に依頼したもので、中南米の技術系行政官が自国の生活環境改善に寄与することを目的としています。
当日は、中南米より参加者13名と、通訳1名、JICAのスタッフ1名が来ていました。

最初に、当院の院内感染対策副委員長でもある森田副看護部長より、札幌市における医療廃棄物処理のルールを説明し、その後、それに基づいて当院で実際に行っている処理方法を説明しました。
当院では病室で採血をする際に医療廃棄物を入れる容器を持ち歩き、採血をするとすぐにその容器に捨てています。移し替えをせず直接容器に入れることで、感染の可能性がより少なくなるのです。この徹底ぶりに参加者達は驚いていました。
また、当院で委託している廃棄物処理業者は、医療廃棄物を炭や油などのエネルギー源にリサイクルしています。環境に配慮したこのリサイクル法は、日本でもまだ北海道でしか行われていない試みです。これにより廃棄物の量や年間コストが変わるため、リサイクル委託による長所と短所についても、森田副看護部長より説明いたしました。
森田副看護部長からの説明がひととおり終了すると、今度は院内の見学です。
外科病棟、ICU、透析室、感染性廃棄物室などを回って医療廃棄物が実際にどのように保管、処理されているかを説明しました。

参加者の方たちは皆、部屋の様子や廃棄物処理容器の写真を撮ったり、処理方法の実際について詳しく質問するなど、熱心に説明を聞いてくださいました。

当院ではこのように、定期的にJICAの研修を受け入れ、医療廃棄物処理についての説明を行っています。
この研修を受けたことで、参加者の方がそれぞれ自国に戻った際に、生活環境の改善に役立てていただければ嬉しく思います。